第1章 HelloWorld

コンパイル とりあえず動かしてみる

この章の内容

  1. 1.初めてのソースコード
  2. 2.初めてのコンパイル
  3. 3.HelloWorld実行
  4. 4.コード解説
  5. 5.よくある質問

初めてのソースコード

コードの書き方は兎も角として、プログラミングの流れを把握するためにとりあえず書いてみよう。

ソースコードを書くのに使うソフトは、テキスト形式で保存できれば何でもよい。
わからなければ「メモ帳」で十分である。

以下のように書いて(コピーしてもよい)「HelloWorld.java」という名前で保存しよう。
スペースは全て半角である。
内容の説明は後回しにする。先に見たい人はここ

public class HelloWorld {
  public static void main(String[] args) {
    System.out.println("HelloWorld");
  }
}

保存する場所はできるだけパスが短いほうが後々都合がよい。

わからない場合は、以後の説明で例として使っているので C:\Java にするとよい。
マイコンピュータ→ローカルディスク(C:)のなかで「Java」というフォルダを作って、その中に保存する。

また、ファイルの拡張子は表示するように設定しておく。設定法

初めてのコンパイル

この作業をすることで初めて実行可能なファイルが作られる。

作業には0章で使ったコマンドプロンプトを用いる。
まずは、作業ディレクトリをソースコードの入ったフォルダに移動しておこう。
「>」より左のパス名のフォルダを現在開いているということになる。

[画像]作業ディレクトリ

作業ディレクトリの移動は cd の後に移動したいフォルダのパス名を入力する。

パス名がわからない
C:\Java に移動したい場合は「cd C:\Java」と入力しEnterを押せばよい。

[画像]cd

cdで移動できない

作業ディレクトリの移動を確認したら、いよいよコンパイルだ。

コンパイルは「javac」の後にコンパイルしたいファイル名(拡張子含む)を入力する。
ただしコンパイルできる拡張子は「.java」に限る。

ここでは「javac HelloWorld.java」と入力し、Enterだ。

[画像]javac

上の図のように何もエラーが出なければ成功だ。

エラーメッセージが表示される場合はどこかが間違っているということだ。
ありがちなものは対策を書いておくので参考にしてほしい。

  1. 1.'javac'は、内部コマンド(以下略)の場合
  2. 2.javac: ファイルが見つか(以下略)の場合
  3. 3.エラー:クラス名'HelloWo(以下略)の場合

コンパイルが成功すると、作業ディレクトリ(先程ソースコードを保存したフォルダ)にクラスファイル(拡張子は.class)というファイルが作られる。
コンピュータが実行できるのはこのファイルである。

[画像]classファイル

しかし、現時点ではダブルクリックしても実行できない。

HelloWorld実行

それでは先程作ったクラスファイルを実行しよう。

コマンドプロンプトの作業ディレクトリがクラスファイルのあるフォルダと同じ事を確認する。

Javaの実行は、「java」の後にクラスファイル名(拡張子除く)を入力する。

ここでは「java HelloWorld」と入力しEnterだ。

[画像]HelloWorld

上の図のように「HelloWorld」と出力されれば成功だ。
ソースコードを書き、コンパイルし、実行するという流れを習得すれば、プログラミングはすぐに上達する。

コード解説

今回書いたソースコードについて部分ごとに簡単に解説する。

ブロック

public class HelloWorld {
 public static void main(String[] args) {
    System.out.println("HelloWorld");
 }
}

プログラム内のまとまりをブロックという。
Javaでは中括弧で囲まれた部分(「{」から対応する「}」まで)がブロックとなる。
今回のコードをブロックごとに強調したのが上の図である。

ブロック内では上の文から実行される。

System.out.println("HelloWorld");

Javaのコードの単位。
Javaは文の終わりを;(セミコロン)で表す。

;までが一文で、改行では文の終端の意味にはならない。(改行は入れなくても動く)
単語を途中で切ったり、繋げたりしない限り、改行・スペース・タブは自由に使える。
読みやすいコードを書くよう心がけよう。

クラス名

public class HelloWorld {
  ……
}

javaではコードをクラスという単位でまとめる。
クラスは一番大きなブロックである。

「class」の後にクラス名を書く。通例開始は大文字。
ソースコードのファイル名はクラス名.javaにしなければならない。

「public」については、現段階ではこう書くものだと思っておいてほしい。

メインメソッド

public static void main(String[] args) {
  ……
}

プログラムが実行されるとき最初に呼び出されるブロック

書き方についてはほぼ決まっているのでそのまま覚えても構わない。
当面はこの内部(……部分)の文を増やして、様々な機能を説明する。

標準出力

System.out.println("HelloWorld");

"(ダブルクォーテーション)で囲まれた文字列を出力する。
日本語も出せるので、ソースコードの赤文字部分を変えて試してみるとよい。

コメント

public class HelloWorld {
/* 複数行に
渡るコメントは
このように書く */

  public static void main(String[] args) {
    System.out.println("HelloWorld"); // 一行コメント
  }
}

コメントとは、プログラムの実行に影響を与えない記述である。
主な用途はコードに説明をつけることと、コードの一部を使わないようにする(コメントアウトする)ことである。

「/*」と「*/」で囲まれた記述は無効になる。
「//」の書かれた行の右側は無効になる。

上のコードをコンパイルすると、この章の最初のコードと同じ結果になる。

次章からはコードの書き方を中心に解説する。

よくある質問

特に問題がなければこの章の以下の項を読む必要はない。

拡張子を表示させる

ツールからフォルダオプションを選択する。

[画像]フォルダオプション

「表示」タブを開き、「登録されている拡張子を表示しない」のチェックをはずし、「全てのフォルダに適応」を押す。

[画像]登録されている拡張子を表示しない

パス名がわからない

エクスプローラ上部のアドレスバーに表示されているのがそのフォルダのパスである。
アドレスバーの表示がない

[画像]アドレスバー

右側が隠れていることがあるため注意が必要である。

ここにに出ていない場合、調べたいフォルダ内のファイルを右クリックし、プロパティを選ぶ。
「場所」の欄に表示される文字列がフォルダのパスである。

アドレスバーを表示したい

ツールからフォルダオプションを選択する。

[画像]フォルダオプション

「表示」タブを開き、「アドレスバーにファイルのパス名を表示する」にチェックをいれて、「全てのフォルダに適応」を押す。
(「タイトルバーにファイルのパス名を表示する」も入れておくとよい)

[画像]登録されている拡張子を表示しない

cdで移動できない

移動するフォルダのドライブレターが違うときは、一旦ドライブを移動する。
例えば D:\Java に移動したいときは

C:\Documents and Settings\USER>D:

D:>cd D:\Java

D:\Java>

上のようにする。

ここはJavaの解説をするところであるため、これでもうまくいかない場合は、申し訳ないが「コマンドプロンプト」「カレントディレクトリ」などのキーワードで自身で検索してもらいたい。

'javac'は、内部コマンド(以下略)

このエラーはjdkがインストールされていないか、パスの設定が正しくされていないときに起こる。
0章に戻って確認してほしい。

javac: ファイルが見つか(以下略)

このエラーはjavacで指定したファイルが見つからないときに起こる。
ファイル名、コマンドに拡張子(.java)はついているか。
作業フォルダがコンパイルするファイルのフォルダと同じか確認しよう。

エラー:クラス名'HelloWo(以下略)

このエラーはソースコードのクラス名とファイル名が異なると起こる。
ソースコードの一行目が

public class HelloWorld {

となっているか、ファイル名は「HelloWorld.java」となっているか確認しよう。
Javaは大文字と小文字を区別するので注意が必要だ。